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4月に入り、経済記事では『人民元推し』が続き、もうドルの共通通貨は終わるかのようなコメントが相次ぎました。ネットで検索してください。こういうアホは篩にかけ『不信用リスト』に登録して自分を守る手立てにしてください。新聞やテレビはもちろんの事、ネットにもデマが溢れていますが、国家や経済の重要事項でデマを流す輩に惑わされないために『不信用リスト』を作ることをお勧めします。ブロックではダメなんです。
コラム:世界の「脱ドル化」は誇張 今年も続く米債買い
Jamie McGeever
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[オーランド(米フロリダ州) 26日 ロイター] - 世界各国がドルの保有を減らしているという説が大きな話題となっているが、実際の数字を見ると、中央銀行も民間セクターもドル建て債券の保有を増やし続けているのが実態だ。
4月26日、世界各国がドルの保有を減らしているという説が大きな話題となっているが、実際の数字を見ると、中央銀行も民間セクターもドル建て債券の保有を増やし続けているのが実態だ。写真は米ドル紙幣。2022年7月撮影(2023年 ロイター/Dado Ruvic)
最近公表された複数のリポートでは、準備通貨の分散や「地経学的」調整、人民元の国際化を図る中国の動きといったドル保有減少の背景が指摘された。しかし今年に入って世界が積極的にドル建て資産を売っている証拠はまだ見られない。
各国中銀の外貨準備に占めるドルの割合は徐々に減ってはいるが、公的部門はドル建て資産を売るどころか、総合すれば買い越している。民間セクターも同様だ。
米連邦準備理事会(FRB)のエコノミスト、カルロ・バートート、ルース・ジュドソン両氏がまとめたデータ(バリュエーション調整後)によると、海外中銀と民間機関は今年1、2月に米国債を買い越した。
両氏の推計では、海外中銀は2月に米国債を計476億ドル(約6兆3300億円)買い越した。ただ名目の米国債保有額は200億ドル減って計3兆4440億ドルとなっている。この矛盾は、米国債価格が2月に下落したことでおおむね説明がつく。
これに民間セクターのフローを含め、1月の数字も加えると、世界の米国債保有総額は1、2月に差し引き289億ドル、米政府機関債は同224億ドル、それぞれ増えていることが両氏のデータで分かる。
スタンダード・チャータードのG10FX調査責任者、スティーブン・イングランダー氏は、世界の中銀はドル以外の外貨保有を増やしていくと考えている。ただ、その過程は何年もかけて「水がしたたる」ような遅いペースになりそうだという。
「脱ドル化とはドル買いが止まることだと考えているなら失望するだろう。買う価格が下がるだけで、買いは続く」と同氏は説明。「ドル懐疑派の最右翼でさえ、ドル資産が壊滅的に売られるような事態は予想していない。実体を伴わない物事はまともに受け取れない」と語った。
<旺盛な買い>
脱ドル化は何年も前から極度に誇張されてきたが、今月にはユーリゾンSLJキャピタルを率いるスティーブン・ジェン氏の調査ノートによって、この議論に新たなひねりが加わった。同氏は国際資本フロー専門家として長年の経験を持つ。
ジェン氏は、為替レートの変動を調整すると、ドルは昨年、準備通貨としてのシェアが「驚くほど急降下」したと指摘。これは「ドルが豪腕的に制裁に使われたことが理由だと想定される」と主張した。
同氏の計算では、世界の公的準備に占めるドルの割合は昨年47%と、前年の55%、2001年の73%から落ち込んだ。昨年のシェア低下スピードは過去20年間の緩やかなペースに比べて10倍も速いという。
国際通貨基金(IMF)のデータでは、世界の外貨準備に占めるドルの割合は昨年末時点で58.4%と、ユーロが誕生した1999年以来で最低だった。
ただ、この割合が低下する中でも世界のドル資産買いが増えるのはあり得ることで、現在起こっているのはそうした状況のようだ。
FRBのバートート、ジュドソン両氏の数字を見ると、海外中銀の米国債買いは昨年47億ドル増えている。バリュエーション調整後の米政府機関債の買い越し額も973億ドルに達し、その大半が中国によるものだった。
もっとも、海外中銀の米国債保有総額が約3兆5000億ドルに及ぶことを考えれば、買い越し額は取るに足らない規模だ。一方、米政府機関債の同保有額は約6500億ドルなので、相対的に大きな買い越しだったことが分かる。
民間セクターも含めると、海外勢は昨年、米国債を3750億ドル、米政府機関債を1800億ドル、それぞれ買い越していた。
ドルの卓越ぶりは色あせていると言って差し支えないのかも知れないが、その変化は極めて段階的だろう。
ゴールドマン・サックスのアラン・スチュワート氏は「フローとバリュエーションに影響を及ぼすような真の変化は、ほとんど認識できないほど遅いペースで進みそうだ」と述べた。
(筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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