こういう時は
災害や戦争などの非常事態には、ここぞとばかりに屁理屈を通してバカな考えが出てきますから注意が必要です。
下記は、チャイナスクールの『一見、ごもっともな話』ですが、バカなのか無知なのか、或いは本当に反日なのかわかりませんが、チャイナが約束を守るという前提で物事を考え発言している時点で話になりません。南シナ海の人工島は国際法違反という判決が出たときに「ただの紙切れ」だという発言をしたチャイナは、『国際法は白人世界が作ったもの』で我々には関係ないと自国内ではハッキリ発言しているのですから、『TPPに加入させ足枷を嵌める』などというヌルイ考えは日本を地獄へ導く考え方です。
【対談・中国経済、成長か崩壊か】「TPPで中国に足かせをはめる」の選択肢
2/24(木)
習近平国家主席の強権体制による中国の膨張に、世界が固唾を呑んでいる。北京五輪を終えた中国経済はどこかで破裂するのではないか──。外交ジャーナリストの手嶋龍一氏と中国問題を専門とする拓殖大学教授の富坂聰氏が超大国の行方を読み解いた。
手嶋:日本は富の半ばを自動車で稼ぎ出している一方で、日本の若年層は自動車に興味がなく、お金に余裕がなくて車を買えない。これでは海外の市場に頼るしかなく、内需だけではやっていけない。しかし、中国は土地や資源も含めてかなりの潜在能力を備えている。内需を経済のけん引力にする可能性を残している。 日本のメディアは恒大集団の破綻を大きく報じ、他人の不幸を喜んで、中国経済の崩壊の予兆と見下す風がある。だがその本質を分かっていない。 富坂:恒大集団の破綻は、本業が原因ではなく、電気自動車への過剰投資が焦げついたためで、区別して考える必要がある。 手嶋:米中貿易戦争で、世界のサプライチェーンにいま重大な地殻変動が起きている。欧米はファーウェイの通信機器を排除した。半導体と基板の供給は、中国と非中国の真っ二つに分断されつつある。欧米諸国は、台湾の半導体メーカーを味方に引き入れて優位に立っているかに見えるが、長期の勝負に決着がついた訳ではないと思う。 富坂:短期的には中国にとってダメージになっても、リカバリーするでしょう。コロナ流行の初期に、マスクの製造を外に依存するのは問題があると国内製造に切り替えようとしたが、戻ってきませんでした。逆に、中国の“世界の工場”としての凄さが見えてしまった。 手嶋:コロナ禍では、多くの日本人が中国製のマスクをしています。 富坂:GDPを牽引するのは個人消費で、アメリカで約70%、日本で約60%を占めますが、この個人消費を支えているのが“安い商品”で、今やほとんどが中国製。メイド・イン・チャイナを排除してしまうと、経済が成り立たないのです。 手嶋:アメリカでは、メイド・イン・USAの製品を探すのは、砂浜でヘアピンを見つけるほど難しいといわれている。 富坂:だから、サプライチェーンを寸断すると、ダメージがブーメランのように返ってくる。中国の貿易体制からは、実は多くの国が恩恵を受けています。たとえば、スマートフォンなどは中国が付けている付加価値は4%程度に過ぎない。金額に置き換えると、仮にアメリカで100円で売ったとして中国に入るのは4円だけで、残りの96円はデザイン料や設計料などでアメリカや日本、韓国、台湾、タイ、マレーシアなどに入る。中国で組み立てているだけで、実はみんなが儲けている。 手嶋:アメリカは最新の貿易統計で史上最大の赤字となった。安価な製品では、世界は中国製品に依然として依存している。これでデカップリング(米中切り離し)をすると、中国が有利にさえなりかねない。 富坂:十分あり得ます。
手嶋:米中衝突の結果、重要な産業分野でデカップリングが進んでいる。それを受けて日本は、経済安全保障の法制化を進めています。半導体や通信機器など、日本のハイテク技術を奪われてはならないと、原案では懲役2年という厳罰も設けている。このままでは自由な経済活動が阻害され、経産省に業界の規制・監督という武器を与える懸念がある。現実にハイブリッド化した製品の非中国化などそんなに簡単じゃありません。 富坂:非常に頭の痛い問題です。ビジネスの現場の担当者は、自社製品をどう扱えばいいかわからず、頭を抱えている。 問題はそれだけに留まりません。技術の流出を防ぐという流れは段階的に進んでいて、アメリカでは1998年にコックス報告書が出て、宇宙に関する技術を中国には一切出さないとした。その中国の宇宙開発の部署がコロナ禍の間に、月の裏側から土を持ち帰ってきた。こういう技術進歩は、止めても止まらないのです。 手嶋:止めたことで逆に相手側に加速度がつくこともある。中国はいまや「海洋・宇宙強国」を目指している。2016年に量子科学衛星「墨子」を打ち上げ、量子暗号の通信技術では日米を凌いでいます。日米はまだ量子科学衛星を打ち上げておらず、この分野では中国の後塵を拝してしまっている。 富坂:あのときアメリカが流出を止めなければ、今でも中国の衛星技術のいくつかはアメリカに依存したままだったと思います。しかし、止めたことで独自技術に置き換わり、中国の技術が見えなくなってしまった。 手嶋:デカップリングは恐ろしい事態を招きます。
TPPに中国を入れる
富坂:中国のアキレス腱というのは、先ほども述べた通り国内問題です。だから返り血を浴びてでも、短期的な利益よりも長期的な人口が増えるほうがいいという判断をした。今のところ効果は表われていませんが、少なくとも何が問題かは見えていて、対処はしている。薬が効いていないが、薬を処方しているということをどう見るかではないでしょうか。 手嶋:一方の岸田内閣は「新しい資本主義」の中身が一向に見えてこない。少子化という同じ悩みを抱える日本がどこで中国と連携し、どこで一線を画するのか。米中の狭間に位置する戦略上の利点を生かす度胸と器量が問われている。 富坂:反発は大きいでしょうが、TPP(環太平洋パートナーシップ)に中国を入れてしまうのも手でしょう。米中両国からのプレッシャーを、第三者的な機関の約束事の中で消化していく。
手嶋:そうした多国間の枠組みを前提にすれば、中国に対する発言力を強めることもできる。「米国なきTPP」で、日本は最大の経済大国にして“TPPの先住国家”。中国を加盟させるか否かのカードを握っている。仮に参加させる場合も条件を突きつけられる。岸田首相は中国の参加は拒否するとしているが、TPPに中国を取り込む戦略も選択肢に外交の幅を広げることも考えていい。 富坂:米中関係が悪化している今なら、日本が主導権を持って中国に足かせをはめるTPPにできると思います。 手嶋:冷戦が終わって中国の強権体制も崩壊すると断じた識者も多かったが、トウ小平の改革開放政策はそんな期待を見事に裏切った。強権体制は危険だが、中国経済も衰退していくという安易な前提には立つべきではない。 (了。前編を読む) 【プロフィール】 手嶋龍一(てしま・りゅういち)/1949年生まれ、北海道出身。NHKワシントン支局長として9.11テロを中継。『ウルトラ・ダラー』『鳴かずのカッコウ』などのインテリジェンス小説ほかノンフィクションの著書多数。 富坂聰(とみさか・さとし)/1964年生まれ、愛知県出身。北京大学中文系に留学したのち、ジャーナリストに。2014年より拓殖大学海外事情研究所教授。『ルポ中国「欲望大国」』など著書多数。
次に、下記が今日の本題です。下記の記事にある通り、敵はロシアではなくチャイナです。チャイナを叩けばプーチンの財布も飛びます。敵は習近平だと肝に銘じて、これから流れるニュースを見ることをお勧めします。
ロシアの脅威に目を奪われるのは間違い──最優先で警戒すべきは、やはり中国だ
AMERICA IS FOCUSING ON THE WRONG ENEMY
2022年2月22日(火)
ブラマ・チェラニ(インド政策研究センター教授)
<ウクライナ危機もあってバイデン政権はロシアの脅威に目を奪われているが、アメリカ最大のライバルは中国であり、中ロ関係の深化で中国はさらに強くなる>
民主主義陣営の国々は引き続きアメリカ主導の国際秩序が保たれることを望んでいる。だが「戦略的な過干渉」とも言うべきアメリカのウクライナ政策を見ると、この秩序の継続は危ういと言わざるを得ない。
国際社会におけるアメリカの指導的な地位を脅かしている第1の要因は国内の政治状況だ。党派政治と分断がアメリカの民主主義を劣化させ、長期的な視野に立つ政策立案を妨げている。外交政策では民主党と共和党で自国にとっての脅威の認識が全く異なる。2021年3月の世論調査によると、共和党員は中国が最大の脅威だと答え、民主党員はロシアを最も警戒していた。
バイデン米大統領が「ならず者国家」ロシアを対等なライバルと見なし、まともに対峙しているのはそのためかもしれない。アメリカの真のライバルは中国だ。中国の人口はロシアの10倍。経済規模もほぼ10倍で、防衛予算はロシアの約4倍に上る。
冷戦後、アメリカは勝利の余韻にどっぷり浸り、自国の優位を誇示することにうつつを抜かした。NATOをロシアの裏庭まで拡大しようとする一方で、第2次大戦後にドイツと日本を取り込んだようにロシアを民主主義陣営に取り込もう、とはしなかった。アメリカににらまれれば、必然的にロシアは軍備増強に走ることになる。
アメリカの指導者たちは冷戦後にもう1つ致命的なミスをした。中国の台頭を助け、旧ソ連以上に強大なライバルに仕立て上げたのだ。残念ながらアメリカはいまだにこの失敗から学ばず、ロシアと中国に加えて中東、アフリカ、朝鮮半島と極めて幅広い地域の問題に関心と資源を分散させている。
プーチンをたたけば習が得をする
その結果、アメリカは意図せずして中国の覇権拡大を助けることになった。中国を最も利するアメリカの政策は制裁の多用だ。
ロシアと中国は長年付かず離れずの関係を保ってきたが、14年のクリミア併合でアメリカがロシアに経済制裁を科すと、ロシアのプーチン大統領は戦略的に中国に擦り寄った。ウクライナ情勢がどう転んでも中ロ関係は深まるだろうが、ロシアがウクライナに侵攻しアメリカが厳しい制裁を科せば、中ロの絆は一層深まり、中国が多大な恩恵を受けるだろう。
バイデンが警告どおりロシアに強力な金融制裁を科せば、中国はロシアの銀行との取引を増やし、人民元の国際化を推進できる。またバイデンがロシアとドイツを結ぶ天然ガスのパイプライン「ノルドストリーム2」の稼働開始に待ったをかけたら、中国がロシア産ガスを爆買いするだろう。
実際、中国は2月4日にプーチンから天然ガスの対中輸出を10倍近く増やす約束を取り付けたばかりだ。中国は台湾侵攻に備え、欧米の「兵糧攻め」に耐えられるようエネルギー備蓄を着々と拡大している。さらにロシアが経済支援の見返りとしていま以上に中国に軍事技術を提供すれば、中国の軍事力増強は一層進むだろう。
アメリカにとっては、中ロ同盟の強化がウクライナ危機の最悪の結果となりかねない。最善の結果は、ロシアが譲歩してウクライナには侵攻しないし併合もしないと確約することだ。そうなればアメリカはこれ以上ヨーロッパにかかずらわずに済み、インド太平洋地域への進出など中国の危険な野望を阻止することに、限りある資源と能力を集中できる。
アメリカ主導の国際秩序の行方はアジアに懸かっている。中国はウイグル弾圧を批判されても五輪を開くほど力を付けている。バイデン政権が中国の底知れぬ脅威に気付き、的を絞った戦略を即座に取らなければ、アメリカの優位は失われかねない。
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