歴史を知らない

下記は、世界陸連のセバスチャン・コー会長が北京オリンピックのボイコットに対し反対の意見を言っているという記事です。コー会長は自身が選手時代にモスクワ、ロサンジェルスのボイコットを経験していますが、それは大勢が決している時代の話でしかありません。競技だけ見ても、当時の西側諸国は東側諸国で蔓延しているドーピングにしての対応を苦慮していましたし、事実、社会主義国が次々に倒れて行った後にはドーピングの事実も明らかになっていました。そういう競技面以外の政治に目を向けると、オリンピックのような規模のイベントは、その存在そのものが『政治的』です。いくら政治とスポーツは別と唱えたところで、原資となる資金は政治が決定した国民の血税なんですから、政治とスポーツの区別を言うなら、その欺瞞に応えなければなりません。

且つて、第一次大戦後のドイツの処遇でヨーロッパ戦勝国とアメリカがドイツをいじめすぎたためにヒトラーの台頭を生み、ヒトラーはナチスの正当性をベルリンオリンピックで主張した歴史があります。今回、北京への完全ボイコットではなく政治的ボイコットを表明した国々は、『民主主義国家としてのスタンス』を表明したものです。つまり、表明した国は中国共産党の正当性を批判したということです。コー会長が言う『政治とスポーツの分別』があるなら、政治家が来賓しないんですから、むしろ歓迎しべきじゃないでしょうか(笑)。



世界陸連コー会長、自国・英の外交ボイコットは「無知な悪知恵」IOCバッハ会長と足並みそろえ非難

1/2(日) 15:26配信

 世界陸連のセバスチャン・コー会長(65)は、自国の英国が決定した“外交ボイコット”を「無意味だ」と一刀両断した。英ロイター通信が1日までに報じた。

 「歴史的にボイコットは結局、ひどく無知な悪知恵だ。政治的ボイコットは正直なところ、無意味だ」。さらに「長い目で見れば、実際に(ボイコットは)何ら大きなことを達成していない。常に意図しない結果に終わってきた」と語った。

 また、「人権問題について、私は無関心でも無神経でもない。非常に深刻なものだと捉えている」と付け加えた。世界陸連は昨年12月、今年8月の深セン大会の追加を発表している。

 コー会長はイギリスオリンピック協会の会長も務め、国際オリンピック委員会(IOC)バッハ会長とはツーカーの間柄。バッハ会長は昨年12月、外交ボイコットについて「五輪とスポーツの政治化に断固、反対する」との共同宣言を発表し、「ほとんどの参加国や地域」は外交ボイコットを選択しない見込みだとアピールした。

 米国は、中国が新疆ウイグル自治区でウイグル族らにジェノサイド(民族大量虐殺)を行っていると認定し、2月の北京冬季五輪・パラリンピックに政府代表団を派遣しない外交ボイコットを決定。英国やオーストラリア、カナダなども追随した。日本は政府代表団こそ派遣しないものの、“外交ボイコット”の文言は用いないと発表した。

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