余りにバカなんで
全文晒しておきます。アホ丸出しで悲しいですね。東大出て、財務省入って、この体たらくで世界中に日本の財務省はアホしかいないと晒しているのですから情けない。この記事書いてる日経ビジの社員も出来が悪すぎ。日経ビジは30年くらい前までは読める内容でしたが、年々劣化がひどい。
こんなバカばかりの財務省など‟全く必要がない余剰人員”でしかありません。現在の財務省の仕事は1万人ほどカットしてもできるのです。財布が分厚く、国税庁に入られる心配のない国士の政治家が総理になって、財務省を解体して欲しいものです。
因みに、高橋教授の、この件に対するSNSを最下段に張り付けておきます。以前、財務省との公開討論も無視されました。「一人で心細いなら十人、二十人でかかってきなさい」とまで言われ引き下がる程度のアホどもは、何年たっても賢くなりません。
世界ワーストの債務残高水準 日本の財政は持続可能か
どうなるニッポンの財政と税(1) 財務省 松本圭介主計局調査課長
2022.11.14
安藤 毅 他1名
日経ビジネス編集委員
英国が9月、財政拡大にアクセルを踏もうとした途端、財政の先行き懸念から国債売りや通貨売りに見舞われた。GDP(国内総生産)比での債務残高が世界でも最大水準の日本にとっても無縁ではいられない。防衛費やグリーン投資の財源の手当ても必要になってくるなか、財政をつかさどる財務省は今、どのような問題意識を持っているのか、主計局の松本圭介調査課長に聞いた。
英国のトラス政権の大規模減税策が金融市場を混乱させ、首相が事実上の引責辞任に追い込まれました。どう受け止めていますか。
松本圭介・財務省主計局調査課長(以下、松本氏):英国の状況には我々も注目していました。もともとトラス氏は減税を掲げて当選したので、財政拡張的な施策を打ち出すのだろうと思っていましたが、その後にあそこまで市場が混乱するとは予測していませんでした。しかも、動きが非常に早かった。率直なところ、驚きました。
なぜ市場が混乱したかについては色々な見方があるでしょうが、1つはインフレ対応のため金融政策が引き締めに入っているなかで、市場の想定以上の減税・財政拡大をやろうとしたことで、政策の整合性が取れていないという批判があったのだと思います。2つ目は、英国では、財務省から独立した財政責任庁が中長期の財政見通しを確認しながら財政運営を進める仕組みが確立していますが、この確認プロセスが欠落していたことです。そのことが、市場関係者から不評を買った面もあるのだと思います。
松本圭介[まつもと・けいすけ] 1998年東京大学経済学部卒、大蔵省入省。米ジョージタウン大学留学、内閣府、金融庁、財務省主計局、主税局などを経て2018年7月大臣官房企画官兼秘書課調整室長。その後東京国税局査察部長、内閣官房内閣参事官を経て22年7月より主計局調査課長(写真:北山宏一、以下同じ)
結果的に減税案はほとんど撤回となり、エネルギー価格の高騰対策についても、来年度以降の分は財務省主導で見直すと発表されました。政策の撤回のスピードもものすごく速く、これも驚きでした。
英国と日本は状況が違います。「日本でも同じことが起きかねない」と殊更に言うつもりもありません。ただし、何かの拍子に市場からの信認が損なわれると、市場は一本調子で急変動しうるということだと思います。そうした事態が、先進国である英国で起きたのは、ショッキングなことです。財政運営に対する市場の信認確保の大事さを、改めて実感しました。
改めて、今の日本の財政状況はどうなっていますか。
松本氏:ひと言で言えば、「国債・借金に依存している」状態で、しかも「その残高がすごい勢いで積み上がっている」という厳しい状況です。
2022年度の一般会計の当初予算は107.6兆円。税収は65兆円しかなく、税外収入や日銀の納付金などを合わせても70.7兆円ですので、3分の2しかありません。残りの36.9兆円が借金です。国の会計の3分の1が借金による調達で、これだけ見てもなかなか厳しい。
出所=財務省「令和4年度予算のポイント」
https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/budget/fy2022/seifuan2022/01.pdf
歳出のうち、国債の元利払いを除いた社会保障関係費や地方交付税などの政策経費は、当初予算で83.7兆円ですが、これに絞っても、税収と税外収入では賄えていないわけです。これが、プライマリーバランス(PB)赤字ということです。
さらに厳しいのは、今申し上げたのは当初予算の姿だということです。ご案内の通り、最近では年度途中で補正予算を組むことが多くなっており、2020年度と21年度は新型コロナウイルス対策もあって補正予算の規模が大きく膨らみました。今年度(22年度)も、10月末に取りまとめた経済対策を受けて、大規模な補正予算を編成することになりました。
決算ベースでは20年度の歳出は147.6兆円だった一方、税収は60.8兆円しかありませんでした。21年度は歳出144.6兆円に対し、税収は過去最高といっても67兆円にすぎず、全く足りていない状況です。
コロナ禍のような危機的状況において、財政が下支えをするのは必要なことです。日本に限らず、どの国でも同じようなことをやっていました。ただし日本は、リーマン・ショック、震災、コロナ禍といった危機に見舞われた時期はともかく、他の時期もほぼ一貫して財政状況が悪いことが特徴的です。国・地方を合わせたPBを見ると、日本は直近30年分の単純平均で、GDP比マイナス4.6%、主要国の中で最悪です。
結果として、国・地方の債務残高もどんどん積み上がっています。GDP比で見ると260%程度という水準。IMF(国際通貨基金)のデータがそろっている2020年で見ると、比較可能な176カ国中、日本はダントツビリです。ちなみに、さきほど話題に上がった英国が102%で148位。173位はイタリアで155%、174位はアフリカの島国のカーボベルデで159%、175位はギリシャの212%ですから、もう日本はダントツで悪い。終戦直前期の債務残高のGNP(国民総生産)比が約200%でしたから、今の日本は、それよりも悪い財政状況です。
リスクの「風船」は膨らんでいる
1990年度は赤字国債を脱却した年でした。直近の2022年度とどう違うのでしょうか。
松本氏:1990年度は赤字国債を発行せずに一般会計予算を組めた年です。当時の歳出は、当初予算ベースで66.2兆円。バブル経済の末期だったので税収が好調で、58兆円。予算規模の9割近くを税収で賄えていました。歳出の中身について、特に注目すべきは社会保障関係費であり、当時は11.6兆円。全体の2割弱にすぎませんでした。
出所=「国の財政関係資料」(令和4年10月)
https://www.mof.go.jp/policy/budget/fiscal_condition/related_data/202210_02.pdf
2022年度の一般会計当初予算は先ほど申し上げたように107.6兆円なので、1990年度から40兆円強増えています。伸びた分のほとんどは社会保障関係費、あとは国債費(利払い費と、元本償還に備えるための費用の合計)です。一方で、税収はあまり増えていません。結果として、多額の赤字国債を出さねば予算が組めなくなっています。
社会保障の予算は、年金・医療・介護のように、制度的に出ていくお金です。高齢者が増えれば拡大していきます。制度の見直しも行ってきていますが、なかなか追いつきません。結局、社会保障の受益と負担のバランスが崩れてしまっています。このことが、日本の財政が悪化している大きな原因となっています。
国債に依存する財政状況に、どんな問題がありますか。
松本氏:極端なケースを考えると、国が税金を取らず、必要な支出を全て借金・国債で賄えるかと言えば、それは難しいでしょう。そんないいかげんな国の国債を引き受けてくれる投資家もいないと思います。では、そこまでいかないとしても、どこまでなら許されるのか、という問題だと思います。
例えば、債務残高が雪だるま式に膨らんでいくような国は、不安視されてしまうでしょう。先ほど話題になった英国は、そこまでひどい状況でなくても、市場が混乱しました。市場からの信認が低下すれば、国債発行で市場から資金を調達することが、やりにくくなっていきます。国債に過度に依存したまま、財政を健全化していこうという「姿勢」すら見せないということだと、市場からそっぽを向かれることになりかねないと思います。
今はまだ大丈夫でも、リスクはあると思います。私自身は、リスクの「風船」がどんどん膨らみ続けている状況のように感じています。この「風船」は、我々の世代では破裂しないかもしれないですが、このままでは、子供や孫の世代に、パンパンに膨らんだ「風船」を渡していくことになりかねません。将来世代にリスクを負わせることは、望ましいこととは思えません。
政府の借金については、「国民にとっては資産だから、積み上がっても問題ない」との声もあります。
松本氏:確かに、国債は、保有している人にとっては資産です。財務省は、国債について「国民の皆さんの借金」という言い方をしますが、そうではなくて「国民の資産」なのだというのも、1つの見方なのでしょう。
ただし国債は、期限が来たら返済するか、あるいは借り換えをしなければいけません。仮に、国(借り手)が市場の信認を失うと、借り換えのための資金調達が難しくなったり、高い金利を求められたりすることになります。そうした場合、国民の皆さんにも影響が及びます。「借金」としての性質があることは、気に留めておく必要があると思います。
また、国民の皆さんが均等に国債を持っているわけではありません。直接または銀行等を通じて間接に国債を保有している人(編集部注:多くの国内の銀行は、預金の運用先としてそれなりの金額を日本国債に投じている)は、比較的余裕がある方々でしょう。仮に国債の価値暴落を防ぐために増税なり社会保障のカットを行うとなれば、余裕がある人々の資産価値を守るために、国民に広く負担を求めなくてはいけなくなります。
財政の重要な役割の1つは、所得を再分配することです。しかし、余裕がある人のために広く負担を求めるようなことは、逆向きの再分配になってしまう。「国債はみんなの資産だから大丈夫だ」といって現状を放置すると、そうした問題の種を、将来世代に残していくことになってしまいます。簡単な問題ではないと思います。
健全化への「姿勢」を放棄すべきではない
日本は国債の多くが国内で消化され、世界最大の対外純資産と世界有数の外貨準備を持ち、経常黒字国です。デフォルト(債務不履行)を起こしたギリシャなどとは条件が違うのではという見方もあります。
松本氏:確かに日本は経常黒字で、貯蓄超過でもあります。これまでも、国債は安定的に消化されています。単純に、「ギリシャ危機のような事態が、日本でも起こるかもしれない」などと言うつもりもありません。
他方で、日本が財政健全化に向けた「姿勢」を全く放棄していいのかというと、そうではないと思います。デフォルトに至らなくても、英国のように、何かの拍子に金利が上がることはあるかもしれません。あるいは、インフレを引き起こすかもしれません。そうした場合、経済社会に大きな影響・混乱が生じます。そういうリスクが顕在化するのは、避けたいところです。
「風船」は、すぐには爆発しないかもしれません。ただし、「風船」は既にだいぶ大きくなり、膨らみ続けています。これを破裂させないために、少なくとも債務残高をきちんとコントロールして、一本調子に雪だるま式に増えていく状態を避けなければいけないと思います。
また貿易収支は赤字となり、経常黒字も最近では小さくなっています。高齢化に伴って、先々は家計貯蓄率も低下していくのではないか、という見方もあります。長い目で見れば、日本経済の基礎条件も、弱くなる方向に変化していくかもしれません。いざ危なくなってから、いきなり財政健全化をしようとしても、かなり難しいでしょう。今のうちから、できることをやっていくことが、必要なのだろうと思います。
財政については一般的に、「破綻する」や「問題ない」など、極論で語られがちです。
松本氏:様々なご意見があることは承知しています。財務省も、「このままでは破綻する」とか「デフォルトする」といった極端なメッセージを強調しすぎていると、受け取られているのかもしれません。
「財政破綻」とはどのような状態を指すのかといったご質問や、実際にそのような事態に至ることはないのではないかといったご指摘をいただくこともあります。IMFのペーパーでは、「財政危機」の事例として、債務不履行やハイパーインフレの到来などが挙げられています。私自身は、最悪の場合にそうした事態に至りかねないことも頭に入れておくほうがよいと思いますが、他方で、そこまで経済財政運営が行き詰まってどうにもならなくなるというのも、かなり大変な、最終的な事態であり、想像を絶することも分かります。
他方で、そうした事態に至る前にも、色々なステップがあると思います。先の英国も、「破綻」状態には全く至っていませんが、財政運営に対する信認が失われて市場が混乱したのも事実であり、それだけでも、十分大変なことです。タイムリーに政策修正がなされず、市場の混乱が続けば、経済社会活動への影響も大きくなってしまうでしょう。そうした可能性は、意識しておかなければならないと思います。
程度については評価が分かれるかもしれませんが、リスクの「風船」は、確実に膨らみ続けていると思います。このまま「風船」を膨らませ続けて、将来世代にパンパンに膨らんだ状態で引き渡していくのは、望ましいことではないと思います。「何1つ問題ない」というご主張も、それはそれで極端ではないか、と思うところです。将来に向けてリスクを増幅させないよう、「風船」の大きさをうまくコントロールしていくことが必要だと思います。
金利上昇は利払い負担に
これまで日本は低金利での財政運営を続けてきました。欧米が利上げに動く中、金融政策がいずれ修正されることを見据えたときのポイントは何でしょうか。
松本氏:低金利により、発行済みの国債の利払いは安く抑えられています。発行済みの国債残高はおよそ1000兆円で、平均金利は0.8%程度です。2021年度に一般会計決算を見ると、利払い費は7.2兆円で済んでいます。
出所=「国の財政関係資料」(令和4年10月)
https://www.mof.go.jp/policy/budget/fiscal_condition/related_data/202210_03.pdf
一方、先ほど例に挙げた1990年には、発行済み国債の金利は6%を超えていました。当時、発行済みの国債残高は今より全然少なかったので、国債費のうち、元本償還に備える費用については少なくて済んでいましたが、利払い費は10.8兆円と、実は、今よりも多かったのです。
今後仮に、1990年度並みの金利となれば、利払い費は何十兆円にも達してしまい、財政を非常に圧迫することになります。もちろん、長期金利がすぐに当時のような水準となるとは考えにくいですが、他方で、今の低金利が長期的にずっと続いていくとも限りません。
ひとたび金利が上がると、政策経費や利払い費を賄うために新たに発行する必要がある国債発行分と、過去に発行した国債のうち満期を迎えたものの借り換え分について、高い金利が適用されていきます。利払いの負担が、徐々に拡大していくイメージです。仮定の計算ですが、足元で長期金利が1%上がって、その後は同じ水準で推移すると仮定すると、10年後には利払い費が10兆円ぐらい増えるようなイメージだと思っています。
金利が安いうちに借り入れしたほうがよいというのも、1つの考え方かもしれません。ただし国の場合は、国債残高が増え続けているのが現実です。借金をして行った支出は、様々な事情からすぐには止めらないことが多く、借金が長く続いていきます。ひとたび金利が上がったからといって、支出をカットして国債を返済することは簡単ではありません。高い金利の国債へと借り換えを行っていくことになり、利払い負担がかさんでいきかねません。
やはり、金利が低い中でも、野放図に借金を増やすことは心配です。先々を見据えて、債務残高をコントロールできるように、規律のある財政運営が必要だと思います。
2025年度のPB黒字化という財政健全化の目標は、どのような前提に立ったものでしょうか。
松本氏:例えば欧州連合(EU)では、債務残高のGDP比は60%以下とするという数値目標を定めています。これに対して日本は、この数値が増加し続けて260%まで来ている状況なので、具体的な目標を定める前に、まずはこの拡大をコントロールするところから始めなければいけない状況です。
債務残高は、発行済みの国債の利払い分と、政策的経費を税収等で賄えずに新たな国債発行を要する分、すなわちPB赤字分だけ増えていきます。債務残高のGDP比を考えると、分子の債務残高は、PB赤字がなければ、利払い分だけ増加するので、金利に連動して伸びます。また、分母のGDPは、成長率分だけ伸びます。要は、PB赤字がなければ、仮に成長率と金利が同じように伸びていけば、債務残高のGDP比は安定するということです。
債務残高対GDP比の安定的引下げとフロー収支の改善の関係
出所:「日本の財政関係資料(令和4年10月)」 https://www.mof.go.jp/policy/budget/fiscal_condition/related_data/202210_01.pdf
言い換えると、成長率と金利が大体等しくなるだろうという想定を置いて、PB黒字化をまず目標としようということです。そうすれば、債務残高GDP比を安定的に下げていくことができ、ひとまずコントロールできるだろう、という設定です。
ただし、成長率と金利が同じになるとは限りません。例えば、成長率が金利を上回っていれば、分母のほうがどんどん大きくなるので、多少赤字が残っても債務残高GDP比は安定する、という考え方もあります。ただし過去には、成長率よりも金利のほうが高くなっていた時期も多くあり、その場合、PB赤字が残っていると、債務残高のGDP比は膨らんでいってしまいます。
本来は債務残高自体を減らしていければよいのですが、そのためには、かなりの黒字幅を確保しなければならず、日本がいきなりそこまでいくのは難しい。そこで日本は、一里塚として、債務残高のGDP比を安定的に引き下げられるよう、PBの黒字化を目標としています。諸外国では、政策経費のみならず利払い費も賄えるだけの財政黒字を確保しようという目標を掲げている国も多いですが、日本は、それよりも緩い目標となっているのです。
PB黒字化目標、小泉政権から
PB黒字化目標を悪玉にする議論もあります。
松本氏:経済を度外視して財政再建だけを進めるのは本末転倒だ、という批判だと思います。財務省も悪玉視されることがありますが、「経済あっての財政」ということは分かっていますし、実際に、経済状況等に応じて柔軟に対応してきているのが実態だと思います。財務省単独で強引に財政再建を進められるようなものでもないとも思っています。
足元でも、10月末に経済対策が取りまとめられ、大規模な補正予算を編成することになりました。物価高の進行や、世界経済の先行き不安などもあり、政府として必要な対応を取るべく、決定したものです。財務省も、補正予算を作成し、国会で成立をお願いする立場にあり、しっかりと取り組んでいます。
PB黒字化目標に話を戻すと、目標自体は、2000年代の小泉政権の頃からありました。当時私は係長クラスでしたが、国会審議用の想定問答で、何回も「2010年代初頭のPB 黒字化を目指します」と書いたことを覚えています。結果的には、目標年度の延期が繰り返されて、今は2025年の達成を目指しています。先送りをしてきたことにはそれなりの理由があり、少なくとも、PB黒字化目標の実現だけが絶対視されてきたわけではないことは、明らかだと思います。
それでは目標は不要なのかと言われると、やはり必要だと思います。政府の方針としても、財政健全化の旗は降ろさず、これまでの目標に向けて取り組むこととされています。先ほど来申し上げているように、財政状況は悪化し続けており、債務残高GDP比は世界最悪の水準です。そうした中で、健全化に向けた努力を「一切やめた」と言ってしまうと、市場の信認を損なうことが心配です。あるいは、これまで同様の先送りを安易に続けてしまうと、やはり、厳しい目で見られかねません。
今まで大丈夫だったからといって、今後もずっと大丈夫ということでもありません。「風船」はかなり膨らんできてしまっていますが、「今後、何とか小さくしていきます」と説明することで、市場の理解を得ている面があると思っています。
現実には、債務残高のGDP比は悪化し続けていますから、残念ながら、債務をコントロールしきれていないのが現状です。とはいえ、中長期的にコントロールしようとする意思を日本政府が持っていることが、今のところ信認を得られている理由の1つだと思います。その他、日本経済にはまだまだ強い要素があり、今後本気を出せば何とかできるかもしれない、という見方もあるのかもしれません。
仮に、財政健全化に向けた意思を翻して、「PB黒字化目標は悪玉なので放棄します」と言ったときに、今までと同じように市場の信認を確保でき、落ち着いた環境で経済財政運営を行っていけるのかというと、非常に心配だと思います。
財政悪化の主因は社会保障支出の拡大だという話がありました。今後の予算編成のポイントは。
松本氏:社会保障関係費は、現行制度を前提とすると自然体では大きく増えていってしまうのですが、その伸び幅を「高齢化に伴う伸び」に相当するところまでに抑えよう、との方針が決められています。来年度予算でも、こうした方針に沿って対応すべく、議論が進められていくことになると思います。
今後に向けた課題として、まず、国際情勢がこれだけ激変する中で、総合的な防衛力強化をどのように図っていくか、という点があります。また、コロナ禍において少子化が大きく進んでしまっており、どのような対策をすれば効果が上がるのかも考える必要があります。民間投資の呼び水になるように、国としても、効果的な形でGX(グリーン・トランスフォーメーション)投資などを進めていく必要があります。
どれも日本の将来にとって大事な課題であり、国の歳出も一定程度増やしていかなければならないでしょう。問題は、そのために単純に国債を増やしてよいのか、ということです。あまりやりすぎると、雪だるま式に借金が増えていくことになりかねません。借金に依存しすぎない形で対応するにはどうしたらいいのかということも含めて、予算編成プロセスで議論が進められていくことになります。
「希望ある社会を次世代に引き継ぐ」
主計局調査課というのはどういう業務を所管していますか。
松本氏:主計局は予算編成を担当しており、局長・次長の下に「主計官」というポジションの職員が10人程度います。各主計官は、それぞれ担当する省庁の予算を実際に作ったり、そうした作業の全体調整を行ったりしています。さらに主計局には、そうした予算編成の実務を支える「課」が複数あり、我々「調査課」は、日本の財政状況なり、財政運営の大きな方向性などの議論に対応していく仕事をしています。財政を取り巻く議論をフォローしたり、外国の状況を調べたり、時には財政の歴史を調べたりして、必要な資料を取りまとめて、各方面に説明をしたりしています。
調査課といっても、調査ばかりをしているわけではありません。政治の舞台での議論や、審議会における議論をサポートしたり、メディアの皆さん、さらには広く国民の皆さんに対して財政に関する情報発信をしたりすることが役割であり、そのために必要な調査も行っているという感じです。
そもそも松本さんが財務省を志望した経緯は何だったのでしょうか。
松本氏:私は1998年、当時の大蔵省に入りました。明確な志望動機はなかった気がします。子供の頃はまだ日本経済が元気で、役所も活躍していると報じられていたので、その時期の「憧れ」みたいなものが、就職先を探していた時期にも残っていた感じです。かっこよい言葉で言うと、国の経済のかじ取りの一翼を担うような仕事をしてみたいなと思って門をたたき、縁があったという感じです。
実際、役人生活はどうでしょう。
松本氏:しんどいところもありますが、一番良いところは、自分に嘘をつかないというか、正しいと思うことを愚直に主張することが仕事になることです。財務省にも組織理念があって、「国の信用を守り、希望ある社会を次世代に引き継ぐ」ことが使命として定められています。周りの職員を見ても、将来世代のために働いている、という気概を持っている人が多いと思います。
とはいえ、政策をつくるプロセスでは様々な意見対立が生じますし、どちらかが一方的に「正しい」ともならないことが、難しいところです。ですので、うまくいかないことのほうが多いぐらいですが、それでも、自分たちなりの考えを主張していける仕事ではあるのかなと。青臭い政策談議みたいなことが、そのまま仕事になり得るということだと思います。
歯車の1つではありますが、扱うテーマも大きいですし、自分たちが考えたことが政策に反映されて世の中に伝わっていくのは、1つの醍醐味だと思います。
完全な形のBS分析のために、正しいPB式を書いておく。ド文系のZ官僚には理解できないだろうが、もう20年前にZには提示済み
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