時事

ウクライナが親露のドイツ大統領の訪問を拒絶し、シュルツ首相は自らもウクライナへ行く気は無いと発言。しかし、現実は下記の通りで、一方的にドイツに非があります。日本は親独のメディアや官僚が多いのですが、真実が分かってのことなのでしょうか。そんな良い国じゃないですよ。かなり醜悪です。



【社説】ドイツの武器はウクライナに届いたか

ロシアの報復を恐れ、重火器の供与を遅らせるショルツ首相

2022 年 4 月 26 日 11:54 JST

 ドイツのオラフ・ショルツ首相は自国民と同盟諸国に対し、独政府の外交・国防政策の手法を一変させると約束した。だが、ドイツの有権者と北大西洋条約機構(NATO)加盟諸国がショルツ氏の本気度を見極めようとする中で疑問が生じてきた。ドイツからの武器はウクライナのどこにあるのだろうか。

 ドイツではウクライナ軍に対する武器供与がカタツムリの歩みのように遅いことが、政治的スキャンダルになりつつある。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ侵攻を開始する前の2月半ばに、独政府がヘルメット5000個をウクライナに供与すると発表したことは物笑いの種になった。独政府の対応はその後改善され、対空ミサイル、携行式ロケット弾、機関銃、地雷などを供与してきた。

 しかしショルツ氏は、長期戦になりつつあるこの戦争でウクライナが必要としている戦車・装甲車などの重火器の供与には消極的だ。ドイツのタブロイド紙ビルトは先週、ドイツ政府の資金負担で独製造企業からウクライナに直接出荷する新たな装備のリストから、ショルツ氏がこうした重装備を除外したと報じた。独政府はまた、旧式の重火器の供与も拒否している。

 その代わりにドイツ政府は先週、遅ればせながら一つの契約を結んだ。NATO同盟国のスロベニアがウクライナにソ連時代の戦車「T72」を供与し、ドイツがそれに代わる新しい装備をスロベニアに供給するという契約だ。ただし、ドイツからウクライナに対して直接の引き渡しはまだ話題に上っていない。

 政治的な都合ではこの対応の遅さは説明できず、これはドイツで大きな議論になりつつある。ショルツ氏率いる社会民主党(SPD)と連立を組んで政権を担っている緑の党と自由民主党の主要メンバーは、重火器の提供を声高に支持している。野党・キリスト教民主同盟(CDU)のメンバーの多くもそうだ。世論調査によると、ウクライナに重火器を供与することはドイツ国民からの支持も得ている。ドイツ国民はプーチン氏の侵攻を受け、(現段階では)伝統的な平和主義から抜け出しつつある。

 表面上は実際的な懸念に見えるものも、空々しく聞こえる。ショルツ政権は重火器の供与を増やせば、ドイツの軍事能力が低下することを懸念していると述べる。ドイツ政府が長年にわたって軍にあまり投資してこなかったことを考えると本当なのかもしれないが、それも無関係だ。ハンス・ローター・ドムローゼ退役将軍はドイツ公共放送WDRで21日、ドイツとNATOの同盟国は現在、ウクライナがさらされているほどの侵攻の脅威にはさらされていないと述べている。ドイツが今、ウクライナに兵器を送っても、数カ月で補充が可能だ。

 ウクライナは勝てないとショルツ氏は考えているのかもしれない。米政界内にもあったこの考え方は、米国からの支援が初期段階で遅れたことの説明にもなる。ただし、バイデン政権は現在、ロシアの勝利、あるいはロシアに有利な形の停戦が確実ではないと考えているように見える。

 どんな理由にせよ、さらなる対ウクライナ支援を約束し、有権者からもそれを期待されていた首相にとって、こうした遅れは恥ずべきものだ。ショルツ氏は他のNATO同盟国が彼に寄せる信頼を裏切っている。重火器の提供は、ロシアに対するドイツの戦略的転換、NATOへの新たな関与が真剣なことを示すという、強い抑止力のあるシグナルをプーチン氏に送るだろう。ショルツ氏の新たな外交政策はウクライナ向けの戦車供給によって始まる。

0コメント

  • 1000 / 1000