意向

アメリカの保守系のシンクタンクは、NATOの拡大、即ち、日本やオーストラリアを加盟させアジア地域をカバーするという構想を持っています。現在のウクライナで明らかなように、国連は機能していませんし、チャイナの間者が多すぎて対中関係では役に立ちません。下記の記事の下線部分。フランスとドイツが厄介ですがフランスは圧を掛ければひっくり返るでしょうし、ドイツは今後も対露関係で迷走しますから国際社会で発言権が減っていきます。アメリカから見れば、今回のウクライナ問題は対露、対独問題なのです。左巻きのメルケルとオバマとの纏めた国際社会のひっくり返しを次期共和党政権には求めたいですね。私は現実主義者ですから、チャイナやロシアが品行方正な国になるなど1ミリも考えていません。


【寄稿】NATO集団防衛をハワイまで拡大すべき

フォークランド紛争を教訓に

2022 年 4 月 25 日 14:30 JST

 米国民は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国への攻撃は、NATO全体への攻撃であることを理解している。ロシアがワルシャワを爆撃した場合には、米政府はポーランド支援に駆けつけなければならない。しかし、ハワイの真珠湾が再び攻撃された場合、NATOに加盟する米国の同盟諸国に、米国を助ける義務が生じることはない。

 NATO条約第5条(集団防衛)の適用範囲は、欧州と北米の一部であり、北回帰線より北側に限定されている。プエルトリコ、仏領ポリネシアなど、加盟諸国の多くの領土が第5条のカバー範囲外となる。1949年のNATO創設時には、こうした適用除外で影響を受けるのは遠隔地の植民地だけだと思われていた。ロシアのウクライナ侵攻と、中国の威嚇行為が続く中、NATOが自らに課したこの地理的制約は、インド太平洋地域を同盟の空白地帯にしてしまい、大西洋での同盟の力を弱めている。

 70年にわたり、各国はNATOに加盟することで外部からの侵攻を抑止してきた。より強大な同盟諸国が防衛を約束しているからだ。NATOが特定の領土を安全保障の対象外にすれば、戦争を招きかねない。

 フォークランド紛争は、こうした状況下で起きた。1982年にアルゼンチンが英国領のフォークランド諸島に侵攻した際、NATOは英国支援に駆けつけなかった。NATOには支援の義務がなかった。英国の最も緊密な同盟国である米国でさえ、兵たん面や情報面での支援に乗り出すまで曖昧な姿勢を示していた。さらに悪いことには、英国がNATO加盟国であることがアルゼンチンによる侵攻を促す材料になった。アルゼンチンは、第5条の義務によって英国軍が欧州に縛り付けられると考えたのだ。NATO条約の欠陥によって引き起こされたこの紛争で、900人以上が死亡した。

 NATOはもはや、そのようなリスクを冒せない。予測不可能なロシアのウラジーミル・プーチン大統領と威圧的な中国に直面するNATOは、全ての加盟国の領土を守らなくてはならない。第5条を拡大すれば、同盟国は南大西洋のフォークランド諸島のような場所から、ロシア海軍の脅威に対応するため北部に部隊を移せるようになる。それはまた、NATOの抑止力をインド太平洋地域に拡大し、中国へメッセージを送ることにもなる。

 まず、大西洋から見ていこう。大西洋では、第5条の南限によって、英国、オランダとフランスがカリブ海に持つ領地、グアンタナモ湾にある米海軍基地、仏領ギアナにある欧州の衛星打ち上げ施設などが除外されている。もう1つの除外されている場所は、英国が南大西洋に持つ領地だ。英政府はフォークランド諸島にかなりの防衛プレゼンスを有し、フリゲート艦1隻、監視船1隻、人員1200人の空軍基地を配置している。同諸島がNATOの集団的自衛権行使の対象となれば、抑止力はより強まるだろう。

 第5条をインド太平洋地域に拡大することは、より喫緊の課題だ。衝撃的なことに、NATO条約はグアムとハワイを対象外としている。米国の当局者は冷戦中、取るに足らないことだとしてこの弱点を軽視した。ソ連はどちらからも遠かったからだ。昨今、北朝鮮がグアムに直接的な脅威を与えているほか、中国は昨年、核を搭載可能な爆撃機がグアムの米軍基地を攻撃するシミュレーションの様子を撮った動画を公開した。インド洋の拠点であるディエゴガルシア島の米海軍基地も対象外だ。

 米国が中国やその他の敵対勢力に同時に立ち向かうためには、欧州の支援が必要になるだろう。しかしこれまで、欧州の指導者は中国の行動を抑止することに熱心ではなかった。フランスのエマニュエル・マクロン大統領が中国封じ込めに反対していることが昨年明らかになったほか、ドイツのオラフ・ショルツ首相は中国との経済的なつながりを強化しようとしていた。

 第5条の適用範囲を拡大することによるNATOの防衛力強化は、インド太平洋において欧州を米国のパートナーに変える最も有望な手段だ。条約の修正はNATO加盟国の領土保全を確認するもので、そうした動きは遠く離れた加盟国にとっても受け入れ可能であり、中国の反発も最小限に抑えられるだろう。フランスの特別自治体ニューカレドニアや仏領ポリネシアが守られることになるため、フランスは署名したいと考えるかもしれない。ロシアによるウクライナ侵攻によって、貿易を通じた変化を目指す外交政策の失敗を国民に示したドイツもまた、以前に比べて署名する公算が高まっている。欧州の指導者たちは、ウクライナ危機で米国のリーダーシップに依存していることを理解しており、内部からのNATO拡大は米国に対する恩返しとなる。

 NATO条約のこれまでで唯一の修正は、領土の97%がアジア大陸側に位置するトルコを加盟国として受け入れるため1951年に行われたものだった。こうした前例により、世界にある米国、英国、オランダ、フランスの領土を除外し、危険にさらし続けることには根拠がない。これらの領土では住民が議員を選出し、NATOの関与する戦争で戦うことを志願している。彼らは本土の同国人と同じく保護されてしかるべき人々である。

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