ドイツは信用ならない

EUを思い通りに操ったメルケルが退陣して一息と思いたいところですが、やはりドイツは裏切り者です。イメージとして論理的な民族のように思う人が多いのですが、現実のドイツは韓国とさほど変わらない国で、ベルリンの壁崩壊以降のドイツは民主主義国の義理を忘れ民主主義を裏切ってきました。ロシアに阿り、チャイナを崇める姿勢と、EUでの横柄な態度は左巻きに共通する姿勢で、下記のコラムにある通り、バイデン老人など簡単に丸め込みました。安倍元総理がメルケルとは全く話が合わず上辺の付き合いに終始したのは、ドイツの裏切りを警戒していたからです。ドイツは決して論理的な民族の集合体ではありません。近代史では常に火種になってきた国です。アメリカの次期大統領がトランプ復活へ向け着々を推移する中、ドイツの裏切りがあからさまになる日が来ます。その時、EUと締結した日欧EPAの取り扱いなど難題が噴き出すでしょうが、アメリカ民主党に近く共和党とパイプが薄い外務省は対応できるのでしょうか。


【寄稿】ドイツは信頼できる米同盟国ではない

安価なガスと中国向け自動車輸出、プーチン氏を怒らせないことを最優先する国

ILLUSTRATION: DAVID GOTHARD

By Tom Rogan

2022 年 1 月 24 日 13:33 JST 更新

――筆者のトム・ローガン氏は米ニュースサイト・週刊誌「ワシントン・エグザミナー」の国家安全保障担当ライター

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 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ侵攻に乗り出す気配が濃厚となる中、米同盟諸国の大半はウクライナ政府を支持し、北大西洋条約機構(NATO)加盟諸国の中で脆弱(ぜいじゃく)な国々を安心させる行動を見せている。しかしドイツは、ロシアの利益を欧米側の利益よりも優先するという、異なった対応を示している。

 ドイツ政府の対応からは、厳しい現実が分かる。それは、米国と第2次大戦後の民主的国際秩序が、中国・ロシアという2つの最も重大な安全保障上の脅威に直面する中で、ドイツはもはや信頼できる同盟国ではなくなったということだ。ドイツにとっては、安価なガス、中国向け自動車輸出、そしてプーチン氏を怒らせないことが、民主主義に支えられた同盟諸国の結束よりも重要なように見える。ウクライナの運命は、ドイツが担うべき責任の重さを伝えることになるだろう。

 独政府はウクライナへの武器供与を拒否し、さらにエストニアによるウクライナへの武器供与を阻止しようと活発な動きを見せている。英国はここ何日かの間に対戦車用兵器をウクライナに空輸し、ウクライナ情勢に関連した情報収集のため航空機の飛行を行っている。情報収集の飛行は、英国とウクライナを結ぶ最も直線的ルートであるドイツの領空を通過するルートで行われたが、兵器の空輸はドイツを迂回するルートを利用した。英国防省はこの兵器空輸に関し、ドイツに領空通過の許可を求めなかったことを認めるとともに、この迂回措置に大した意味はないとの見方を示した。しかし許可を求めなかったこと自体が重要だ。英国が許可を求めなかったのは、許可を要請した場合にドイツがそれに応じるか拒否するかの選択を強いられるからだった。オラフ・ショルツ首相が率いるドイツの新政権にとって、その判断は難しいものになると英国は考えたのだ。

 ロシアから欧州に天然ガスを輸送するパイプライン「ノルドストリーム2」に関する独政府の対応も、ドイツの姿勢を明確に示す一例だ。ドイツの規制当局は、同パイプラインについて、関連企業による法令順守基準の達成が確認されるまで、運転開始は認められないと主張している。これは、パイプラインの即時運転開始を望むプーチン氏をいら立たせている。その見返りとして、プーチン氏に操られたロシア国営ガス会社ガスプロムは、既存の「ヤマル・ヨーロッパ」パイプラインでのガス輸送を、4週間超の期間にわたって通常と逆方向の流れに変えている。ロシアはまた、ウクライナ向けの一般炭の供給を3カ月以上にわたって停止している。プーチン氏のメッセージは明白だ。そのメッセージとは、ウクライナはロシア支持へと寝返るのが賢明であり、ドイツはノルドストリーム2の運転開始を承認するのが賢明だというものだ。

 こうしたエネルギーによる脅しは、なぜ共和党が――そして今月に入るまでは民主党も――ノルドストリーム2をめぐる制裁を支持していたかを浮き彫りにする。彼らはプーチン氏が同パイプラインを使って、欧州の寒い冬を暖める見返りに、政治的忠誠を引き出そうとすることを知っていた。彼らは同氏がノルドストリーム2を使って、現在ウクライナを経由している(この通過料は何十億ドルにも及ぶ)ガス供給を代替させることを恐れていた。しかし、ドイツがバイデン政権と上院民主党に圧力をかけたために、ノルドストリーム2とプーチン氏は生き延びた。民主党上院議員の過半数は先週、テッド・クルーズ上院議員(共和)が提出したパイプラインに再度制裁を課す法案を拒否した。法案通過には、60票の賛成が必要だったが、民主党の反対でそれは実現できなかった。ドイツは米国を犠牲にして大きな勝利を手にした。相互性という同盟関係の原則を鑑みると、バイデン大統領がその見返りとして何を受け取ったのかは不明だ。

 民主党は、ロシアがウクライナを侵攻した場合、ドイツは同パイプラインを稼働させないだろうとの理由で、ノルドストリーム2への制裁は必要ないと述べている。しかし、ドイツは同じ考えを持っていない。ショルツ政権の国防相はノルドストリーム2の中止について尋ねられた際、「われわれは(ノルドストリーム2を)この紛争に巻き込むべきでない」と述べた。与党・社会民主党(SPD)の幹事長は、「自分の中の全てが、賛否両論のプロジェクトを葬るだけのために紛争を持ち出すというアイデアを拒絶している」ことを認めた。アンナレーナ・ベーアボック外相は同パイプラインに反対するかもしれないが、同外相の意見は通らないことが多い。加えて、ショルツ氏はプーチン氏との「きちんとした新たな始まり」を求めている。

 ドイツはまた、国防費を国内総生産(GDP)の2%にするというNATO目標の達成を断念し、1.5%しか支出していないほか、国内でロシアの化学兵器に関する研究が行われることを容認している。そうした研究は、ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏や元英国のスパイを標的にした事件のような暗殺計画を下支えする。ショルツ氏はまた、核兵器禁止条約でオブザーバーの立場を追求することを約束しており、NATOの核抑止力を漠然としか支持していない。こうした譲歩は、プーチン氏が長年求めていたものだ。

 そして、ドイツの中国に対する姿勢がある。バイデン政権は大統領就任直前、当時のアンゲラ・メルケル首相に欧州連合(EU)と中国の貿易協定の締結を遅らせるよう要請した。これに対しメルケル氏は、交渉を加速させ、バイデン氏の就任前に協定を結んだ。これは無礼だが、驚くべきことではなかった。中国共産党のメルケル氏に対する愛情はあまりにも大きかったため、メルケル氏の退任時には、党の宣伝部隊が敬意を表するデジタルのタペストリーを作成した。ショルツ氏も同じような栄誉を得たいと決心しているようだ。

 ショルツ氏は先ごろ、2月開催の北京冬季五輪をめぐる外交ボイコットを支持するかどうかを聞かれた際、考えながら、「われわれは、世界を国際的に協調する場所にするよう、できるかぎりのことをすることが重要だと思う。そして、行動はその都度、慎重に検討しなければならない」と述べた。

 質問に対するもっと簡潔な回答は、「ノー」だったはずだ。

 ショルツ氏は、年間1500億ドル(約17兆円)に上るドイツの対中輸出を何としても維持する意向を固めているようにみえる。このことは先ごろ、台湾の代表機関を開設したことで中国との貿易戦争に苦しめられているリトアニアに対する姿勢で明らかになった。ドイツ産業界は、民主的な隣国を支援するのではなく、リトアニアに対して中国の要求を受け入れなければリトアニアへのドイツの投資が停止されると警告した。この民主主義の団結の欠如は、ドイツ首相官邸から生じている。これは、フォルクスワーゲンの輸出に関する協議、新疆ウイグル自治区でのジェノサイド(集団虐殺)、香港の民主主義の破壊、そして軍事的帝国主義が大手を振って歩く領域だ。

 たとえドイツが民主的な国際秩序に注意を払っていることを装ったとしても、そうした秩序への純粋な関心が同国に欠如していることは、直ちに明白になっている。ドイツは先ごろ、中国が自国の専用プールだと主張する南シナ海に艦船を派遣した。しかしながら、ドイツ政府は同時に中国政府に対し、この艦船の上海港への立ち寄りを懇願した。中国はこの要請を拒否した。南シナ海をめぐるドイツの行動と対照的なのがフランスで、同国は高度な敵対者との戦闘を想定した米海軍との合同訓練のため、攻撃型原子力潜水艦を派遣した。

 バイデン氏は、ドイツが米国にとって最重要レベルの同盟国だと指摘している。突出した敵対国2カ国に対するドイツの政策を考えると、バイデン氏の主張に説得力を見いだすのは難しい。

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