水素

水素は宇宙で最も多い元素です。地球上にも限りなくあります。一般的に見るものとしては気球やアドバルーンは水素で浮いてます。爆発するのでは?と思う方もいますが、水素の発火点は570度ですから自然発火しません。

今、行き詰った太陽光発電や風力発電は、「通常電力の発電」するために使うのではなく「液体水素製造のために発電」するために使うのが一番理にかなっています。今はオーストラリアやメキシコから液体水素を買って運んでいますが、「水」と「電力」があれば液体水素が作れます。日本は四方海に囲まれているので、どこででも製造できるのです。現に、全国各地57ヶ所で施設が作られています。日本はエネルギー自給率が低いので、いざ戦争、産油国の紛争などで経済も生活も脅かされている状況を綱渡りで凌いできたのですが、将来的には水素でエネルギー自給率100%を目指します。EVや再生可能エネなどは「急場凌ぎの代替エネルギー」でしかないのです。

太陽光は場所を取りすぎ日が照らなければ発電しませんから「自産自消」で、家や会社で発電した電気を自分で使うという方法しか残りません。風力は、日本の経緯度を考えれば年中風が吹くエリアは少ししかないので勘定に入りませんし、海上風力は災害が多い日本では根本的に無理がありすぎます。液体水素を作るための再エネなら、蓄電ではなく発電時だけ水素製造すればいいので理想的です。

初歩的なことですが水素をエネルギーにしても、排出されるものは「水」だけです。



水素エンジンの実用化まで2〜3年……トヨタWRC代表「今は課題もあるけど、モータースポーツにとっては素晴らしいモノ」

Toyota Gazoo Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表は、世界のモータースポーツで水素エンジンが有効な代替パワーユニットとなるためには、あと2〜3年の開発が必要だと考えている。

Tom Howard

 世界が持続可能な未来の動力源を探る中、水素エンジンにおいてはトヨタがパイオニア的存在として業界を牽引してきた。そのトヨタはスーパー耐久に水素エンジン搭載車で挑むなど、モータースポーツの世界でも水素を活用しようとしている。

 トヨタの世界ラリー選手権(WRC)チームであるToyota Gazoo Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表は、世界のモータースポーツで水素エンジンが普及していくためには、あと2~3年の開発が必要になると考えているようだ。

 トヨタは水素を燃料とする内燃機関の開発に多額の投資を行なってきた。昨年の富士24時間レースには水素エンジン搭載の『GRカローラ』で挑み、”モリゾウ”ことトヨタ自動車の豊田章男社長とラトバラもこのマシンをドライブした。

 またトヨタは、水素エンジン搭載の『GRヤリスH2』をベルギーで行なわれたWRCイープル・ラリーと母国開催のWRCラリー・ジャパンで走らせた。GRヤリスH2では市販モデルをベースにサスペンションを改良し、内燃機関を水素エンジンに換装。その結果、排出されるのは水だけで、見た目も音もガソリンエンジン車とほとんど変わりがない。

 水素エネルギーに関する開発は急速に進められているものの、ラトバラが水素が真の代替エネルギーとしてモータースポーツで実用化されるためには、まだ乗り越えなければならないハードルが残っていると考えている。

「私としては、水素はとても興味深いことだ。モータースポーツに投入されたら素晴らしいことだ」

 そうラトバラはmotorsport.comに語った。

「じゃあ明日から使うのかというと、それは少し早すぎると思う。まだいくつかの課題が残っているのだ」

「水素はある一定距離しか走れないというのが難点だが、既存の内燃機関を使うことができる。エンジンを変える必要はないんだ」

「この燃料(水素)を使って、より長い距離を走れるようにしなければいけないというだけだ。対策はふたつある。加圧ガスを使う方法と、液体水素を使う方法だ」

「液体水素が実現すれば、本当にすごいことかもしれない。しかしもう少し時間が必要だ。あと2~3年は開発期間が必要だろう」

「航続距離が最大のネックだ。もちろん、安全な燃料タンクはある。(圧力に耐えるため)大きなタンクが必要になるが、現在のWRCにはハイブリッドボックスが搭載されているので問題はないと思う。安全なタンクを搭載することについては、解決可能だと思う」

「航続距離の問題が解決すれば、あとは給水素のためのステーションを全国に配置するだけだ」

 そしてラトバラは、今年再び日本を訪れ、水素エンジンのGRカローラで富士24時間レースに参戦することを視野に入れている。

「去年走ったGRカローラの開発を継続させるために、今年の24時間レースのため日本へ行きたいと思っている」とラトバラは言う。

「彼らは今シーズンに向けて、あのマシンをずっと開発してきた。プロセスは進んでいるので、彼らは今年もう一歩踏み込んでみたいと考えているのだと思う。私が水素を素晴らしいと思うところは、通常の内燃機関と同じフィーリングを持ち、音も出ることだ」

「エキゾーストから何かが出ていることは分かるが、それは目に見えないクリーンなモノなのだ」


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