ドイツ

メルケルの負の遺産かドイツの必然かはわかりませんがドイツのチャイナへの傾斜、

というより一体化は抜き差しならない状態です。メルケルの負の遺産だとしたら、メルケルはロシアとチャイナに接近させたのは事実ですから、東ドイツ出身の社会主義者だったメルケルを選び、今も崇めるようにメルケル批判をしないドイツ人に不信感を抱くのは私だけでしょうか。必然だとも言えます。私が行っていた30年前からドイツ車は走っていましたから、輸出で成り立っていた西ドイツがチャイナという工場を持つのは必然だったとも言えます。

問題なのは、ドイツが歴史的に持つマルクス主義、社会主義、共産主義への親和性で、明らかに自由民主主義からほど遠い国家思想だということです。かのいう私もドイツ車オーナー...考えさせられます。


ドイツ車の約4割は中国製──やめられないドイツの中国依存

Scholz’s Business Trip

ハンス・マウル(ドイツ外交政策研究所代表)

<ハンブルクを「ヨーロッパにおける中国の母港」と発言したことがある、ショルツ独首相の訪中が示すものとは? 連立政権での約束「対中強硬方針」を転換せざるを得ない、ドイツの苦しい事情>

すったもんだの攻防の末、オーラフ・ショルツ首相率いるドイツ連立政権が誕生したのは2021年12月のこと。このとき社会民主党(SPD)と緑の党、そして自由民主党(FDP)が結んだ連立協定には、中国に対して厳しい姿勢を取るという新たな方針が定められていた。

それまでのドイツの対中政策は、経済関係を深く、広く構築するというものだった。それ以外の全て、つまり中国国内の人権侵害や、反体制的意見の抑圧や、東アジア地域における強硬姿勢などは、表面的に批判する程度だった。それを変えようというのだ。

連立協定は、中国との協力を引き続き促進するが、あくまで「可能な場合」に限られ、「人権法と国際法に基づく」こと、と制限を設けた。

また、EUと中国が20年末に大筋合意した包括投資協定(退任間近のアンゲラ・メルケル前独首相が、アメリカの警告を押し切ってまとめたものだ)は、「多くの理由により」批准作業が凍結されていることを指摘。欧州企業が中国市場で相応の待遇を受ける必要性を指摘している。

連立協定は、ドイツが中国経済への戦略的依存度を低下させることにも言及している。また、南シナ海の島しょ部などの領有権問題は国際法に基づき解決されるべきで、台湾問題は中国と台湾双方の合意により、平和的手段でのみ解決されるべきだとしている。

ドイツは法治主義の伝統が強く、連立協定は神聖に近い重要性を持つ。たいてい膨大な文書(今回は178ページ)になり、やたら詳細まで詰めた領域もあれば、連立政党間の立場の違いを埋めるために、漠然とした一般論に終始する領域もあることが多い。

だが、なにより重要なのは、その協定が、これから発足する連立政権のあらゆる政策決定の中核を成すことだ。連邦議会でどのような法案を採択させるかの青写真にもなる。

実際、ショルツ政権の発足当初は、連立与党はいずれも、対中政策を全面的に見直す方向を示唆していた。

ところがそこに、ロシアのウクライナ侵攻が起きた。それによる経済制裁と、報復としてのロシアのガス供給削減と最終的な停止は、ドイツにロシア産エネルギーへの過剰依存を痛感させ、それを放置してきたことへの反省をもたらした。

生産台数の4割が中国製

安価なロシア産天然ガスは、何十年にもわたりドイツのあらゆる産業の好業績を支えてきた。その供給ストップで生まれた、「相互依存の兵器化」や「戦略的脆弱性」や「サプライチェーンの回復力」に対する大きな懸念は、ロシアだけでなく、中国にも向けられるようになった。

このことは、ドイツ政府の対中姿勢の見直しに拍車をかけたようだ。中国への依存度低下は、政府だけでなく、ドイツの産業界全体の新しい合言葉になったかに見えた。

ところが中国への依存度がいかにディープかが明らかになるにつれて、これは「言うは易く行うは難し」であることが分かってきた。

なにしろドイツの自動車産業は、全生産台数の約4割を中国で生産している。フォルクスワーゲン(VW)の場合は5割近い。中国市場なしでは、フォルクスワーゲンはおそらく自動車メーカーとして独立を維持できないだろう。

世界最大の総合化学グループBASFは最近、中国南部に100億ユーロを投じて巨大な生産拠点を新設した。今後の収益の伸びの3分の2は、中国市場からもたらされると見込んでのことだ。

中国市場に依存しているのは大手の多国籍企業だけではない。ドイツの代表的企業のサンプル調査では、貿易企業の40%、製造業のほぼ半数が、重要な原材料や中間材の供給を中国に依存していることが分かった。自動車産業の場合、その割合は75%にも達する。

これほどの依存レベルを下げるには、かなりの時間がかかる。そのためか、代替的な供給源や市場の開拓に励む企業がある一方で、産業界全体のトレンドは「中国にとどまろう」のように見える。

事実、メルカトル中国研究所の最近の調査では、ドイツの自動車産業は、中国のパートナー企業への出資を増やすなど、むしろ中国におけるプレゼンスを深めている。研究開発拠点を中国に移すメーカーもある。このため、ショルツ政権が伝統的なビジネス寄りの対中政策を変えようとしていることについて、産業界からは大きな反発があった。

対中ビジネス外交に回帰

とはいえ、政権内部も一致しているわけではない。緑の党とFDPは、連立協定に基づき、厳しい対中政策を推進しているが、ショルツはそれほど前向きではないようなのだ。その対立が露呈したのが、ドイツ最大の港湾であるハンブルク港の権益問題だ。

中国の国有海運最大手・中国遠洋運輸(コスコ)が、同港の4つのターミナルの1つに出資しようとしたところ、緑の党とFDP(と6つの省庁)が猛反対。だが、ショルツは賛成の意向を示し、最終的に渋る連立パートナーに妥協案をのませた。かつてハンブルク市長を務めたショルツは、中国の李克強(リー・コーチアン)首相に、ハンブルクは「ヨーロッパにおける(中国の)母港」だと語ったこともある。

それだけに、11月初めにショルツがドイツ企業幹部を多数引き連れて中国を訪問したときは、ドイツがビジネス寄りの対中政策に回帰したらしいことを印象付けた。

緑の党のアンナレーナ・ベアボック外相率いる外務省は今、ドイツの新しい対中戦略を策定している。早ければ23年春にも発表される予定だが、果たしてそこに連立協定が反映されるのか、注目される。

From thediplomat.com

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